AI革命後と営業職 - 大きく変貌する業界の今後と必要な能力

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はじめに

多くの仕事がAIにとって代わられる中「営業職」は人間にしか出来ない職業の一つとして挙げられる事の多い職種です。AIに置き換わるといわれている職種に就いている方は、資格取得や副業、転職などで自身の価値向上に努力をされているかと思います。そんな中、この営業職という業界も大きな変貌を遂げようと、まさに今大きく動いています。特に私より現場で働く方々の方が、更に強く感じているのでは無いでしょうか?

 

本記事の内容

今回の記事はそんな営業職が今どのように変わっているのか、そしてそんな営業の業界で生き残っていくために今各々が身に着けておくべき能力を上げていきます。またこちらの記事は私の思考整理のためにも使わせて頂き、実際の現場でもメンバーや管理職へ発信していく予定です。ザッと書き上げますので、活用する際は追記や言葉の置き換えなどをして頂くようにお願い致します。

 

 

大きく変わる市場観

法律の改正

まず大きいのが法律の改正です。電話営業をされている方は口頭受注が禁止になったり、訪問営業されている方は家族同意が必須になったり、様々な「ルール」が追加されています。最近の消費者センターへの相談件数データを見ても、20代~50代はWEB系相談、60代70代になると一気に訪問営業と電話営業での相談件数が増えていますね。また数年前の相談件数データを比較すると、過去5年間で20代~50代の相談件数は減少し、60代と70代の相談件数が伸びています。(現在2021年1月私が個人的に集めたデータなので、正式な数値は公式サイトをご確認下さい)

 

このような背景から分かる事は60代70代のお客様に対して、電話営業や訪問営業で契約を取っている現場で問題が増えてきているという点。そして、これから超高齢化社会を迎える日本の営業現場において、そういった年代の方が増えてくるという点です。

 

あくまでご高齢者を「騙す」ような、論外な営業手法は除いて考えますが、悪気が無くても結果「騙したように見える」という営業が多数存在するのは事実です。それには「説明不足」や「意図的な説明省略」等、昔は許されていた(あまり良い事では無いですが)範囲の事も、今はルールが強く敷かれる時代になっているからこそ、しっかり理解してルール順守で活動しないと、会社自体が継続不可能な状態になってしまいます。

 

お客様のリテラシーが向上

次に大きく変わったのが市場観です。およそ10年ほど前、営業界では「インターネット普及に伴うプチバブル」が発生し、直接影響したのは通信業界、他にも様々な業界へインターネットの普及が大きな変化を与えていきました。結果として現在、今までにあったお客様の購買心理なども新説が提唱されているように、行動心理なども昔の研究とは大きく変わってきています。

 

またインフルエンサーの出現も営業界には大きな影響を及ぼしており、良い商品は売れるというマーケティングから、上手く宣伝した商品が売れるという、少し偏った市場観になりつつあります。当然このトレンドは「良い商品が売れる」という正しい道理にいずれか戻っていく事は間違いないですが、まだしばらくはこの動向は続くと思われます。

 

そしてインフルエンサーの発信から興味を持った人が「アフィリエイトサイト」で他の商品の知識が増えているというルーティーンが更に営業職へ影響を与えているポイントです。どんな商品であったとしても良い点と悪い点は表裏一体で存在します。それがアフィリエイトサイトでは販売したい商品の比較対象に何らかの商品を配置していることがほとんどで、その場合自分の販売したい商品が悪く書かれているケースも多く存在するでしょう。そうなった場合、まず初見で説明した際にお客様が調べるケース、もしくは一度検討して頂いて改めるケースに関しても、「WEBで調べる」という工程をほとんどの人が通ります。その際、不要な情報までもがお客様に届いてしまうので、本当にお客様のためになる商品でも「辞めておこうかな」と判断されてしまう事も増えている状態です。

 

「問題の解決」から「課題の解決」へニーズがシフト

3つ目に取り上げられるのがニーズの変化です。営業職は江戸時代に生まれた「お聞き周り役」が起源とされており、それぞれの悩みや困りごとをヒアリングして何でもお手助けする事で収入を得ていたと言われています。それが現代になると困ったら「調べる」「友達に聞く」という事が容易に出来るからこそ、問題の解決は自分で出来るという人が増えているのが現状です。なので行きあたりばったりに「お困りな事は無いですか?」という質問を投げかけても、「困っていません」とバッサリされることが大半でしょう。

 

ただ代わりに出てきたニーズが「課題の解決」です。他の言い方をすると「潜在ニーズ」と言われます。現状に困っていないからこそ「更に良いもの」「もっと便利な生活」が出来る事を知らず、困っていないから今の生活を続けているという人は多いです。そこに対して「○○を使えば、生活が★★のように変わります!」という人生の質を交渉させるために行う提案が行われるようになってきています。こちらの営業は問題解決と比べると難易度が高いですが、使いこなせるとBtoCもBtoBも汎用出来る能力として重宝します。

 

新「営業力」の定義

大きく変貌を遂げた市場で営業マンが生き残っていくために身に着けるべき能力、今後営業力とは何か?というお題に対していくつか候補として上がるであろう能力を上げていきます。

WEBに無い情報を所持する情報収集と整理能力

まず最初に必要なのが「お客様と同じように情報に惑わされない事」です。WEBを検索すると無限に近い程のページがどの話題でも出てきますので、様々な狙いが蔓延る二次情報の海と化しています。この状態で正しい情報を集めようと思ってもほぼ困難です。となると、逆に必要になってくるのが正しい情報を持っている営業マンの存在。我々のような営業職は「正しい情報」を所持するだけで「価値のある存在」へ変貌します。それでは正しい情報はどのようにして手に入るかという点においては『一次情報』の入手が大切です。一次情報とは本質的には「自分の5感を使って得た情報」ですが、ここでは「商品開発者から直接得た情報」になります。どこかの商品を担いでいれば、クライアントさんに直接聞くのが良いでしょう。自分が販売したい商品を正しく、細かい部分まで把握する事で、今まで見ていた強み弱み以外にも実は存在するもっと強みになる部分、気を付けて説明しないといけない部分が出てくることが多いです。

 

複数回の接触から獲得につなげる顧客管理能力

顧客管理能力も必須スキルです。こちらは一度検討して頂くお客様をしっかりと成約に繋げるために顧客を管理する事を指しています。「なぜこのお客様は検討をされるのか」「相談の裏側にはどんな不安が潜んでいるのか」「どのように調べ、何を脅威とするのか」その辺りをアプローチ前から検証していく事で対策が取れるようになります。お客様から出てくるネックは様々なものがあるように感じますが、業界を絞ればほぼ内容は類似します。自分の業界でどのような種類のネックや質問が多いのかを分析する事で、お客様に何を検討して頂くかを明確に把握することが出来ます。ここをしっかりとらえておくことで見込みからの成約率が向上し、結果として月の成約件数を向上させることが出来ます。

 

複数の商材を同時に販売する提案力

これからの時代更にセット販売が主流になってきます。電気、ガス、水道、インターネット、スマートフォン、テレビ番組、IOT、大手企業が様々な業界にこぞって参入していることから、将来的にほとんどの会社が同じ種類のサービスを扱うようになります。もしどこかの会社でサービスを統一しているお客様がいた場合は、全ての商品を同時に交換して頂かないと、そもそもエンドユーザーにメリットが出ないという事も増えてくると思われます。ただここは逆にチャンスになっており、商品が多い=一見単価が向上する事を意味しますので、損益分岐点を超えるのに必要な月の成約数が大きく変わる可能性を秘めています。

 

1顧客から複数の顧客口を創出するコミュニケーション能力

いわゆる「紹介案件」です。これは昔から存在する営業手法ですが、現代になると必須スキルと言えると思います。特に白地のリストにひたすら営業を掛ける営業手法は取り締まりが更に厳しくなっていく現在、息がそこまで長くありません。そうなると業務委託契約などで既顧客に対してアップセルやクロスセルを行う手法が主流になるはずです。その流れからすると、白地のリストで生きていくために必要なのがこの「紹介を生むノウハウ」になってきます。toBでもtoCでもお客様から紹介を沢山頂ける営業マンは一定数存在しますので、社内にそういった方がいれば今のうちに思考や能力をヒアリングしておいて損はないですね。

 

最後に

これらをまとめていると気づくことは、結局今まで「重要とはわかっていても、手を付けていなかった工夫」が、必須スキルになっているという点です。昔言われたことでお心当たりがある方も多いのでは無いでしょうか?私もそのうちの一人です。現在は教育者の立場にある以上、この今は必須となった工夫を現場で再現できるようにしっかりと教育を行う事、そして次の時代に更に必要になるスキルは何かを見極め準備をすることが大切になってきそうですね。次に必要なスキルは「営業×IT」のシナジーを生むことかと予測していますので、ここは大きくアクションを取っていこうと考えています。それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。