佐々木ライフハック

~慶通生の備忘録を綴る~

孤独になりやすい責任感の強い管理職の話 ー ダブルバインドの恐怖

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おはようございます!佐々木太一です!

 

本日はダブルバインドのお話。皆様、ダブルバインドと聞いて何を思い浮かべますか?ダブルバインドとは「両方から締め上げる」と言う意味(カナリ極端に訳してます)で、上司がこれを行うと、部下は精神的におかしくなります。

 

状態としては、「何を言っても怒られる」「上司が何を考えているか分からない」「怖くて顔ばかり気にしてしまう」と言う状態です。そして上司はどんどん『孤独』になります。「部下が言う事を聞いてくれない」「本当に部下の事を思っていても一切伝わらない」「離職が止められない」等、双方からしても悪循環ですよね。

 

責任感があり、また能力が高く個人成績を出していたトッププレイヤーが陥りやすいマネジメントの失敗です。今回はこのダブルバインドに付いて言及していこうと思います!

 

 

部下の精神を壊すダブルバインド

組織と事業のどっちが大事なの?

ダブルバインドをしやすい上司の特徴として、役割を兼任しているケースが挙げられます。事業部の統括を行いながら、自分も現場に出て数字を作っているケースです。

 

この場合統括として「組織論」、リーダーとして「事業論」を話さなければならない場面が存在すると思うのですが、その際に気を付けなければなりません。さっきまで「数字を上げないといけない!」「まずは赤字を脱出せよ!」と命令をしていた上司が、突然「頑張ったね^^」「次気を付ければいいよ^^」と笑顔で話しかけてきたら、怖いですよね?

 

簡単に言うとそういう事です。「この人本当は何を考えているのか?」「何を言ってもコントロールされているのではないか?」「結果を出せば次の目標、結果が出なければ再挑戦、逃げられないのではないか?」等、部下がゴールを見失い、何をすればよいのか頭が真っ白になってしまうというケースも少なくありません。

 

「先ずはごめんなさいだろ!」「謝って済むほど甘くないぞ!」

ダブルバインドが働く最も多くのケースがミスをしたとき。「すみません上司、●●のようなミスをしてしまいました。」『謝って済むものではない!すぐに代替案を持ってこい!」と言われた後に、「代替案持って来ました!」『ん??まずはごめんなさいだろ!先方への謝罪は居れたのか?損害金の計算は?それを最優先でやれ!』のようなやり取りです。

 

こうなってくると部下からすれば「何をすればよいのか」「私は今何を最優先で求められているのか」分からなくなってしまいます。真面目であればあるほど上司の期待に応えようとするあまり、精神を壊してしまう人も少なくありません。

 

対処法

メンバーへの発信は常に訂正面、数字の話はしない

極端ですが私はそうしています。何人も部下を辞めさせてしまった経験から感じる事は、期待はこちらの勝手であり、やるかどうかは本人にしか決められないということ。いくら数字の話をしても、達成しようと思うかどうかは本人次第です。また「組織のためになりたい」と思っていない限り、この会社で結果を出そうとは思わないはずです。

 

なので私はメンバーとの会話に定量的な数字の話はせず、「どんな組織にしたいか」「誰の活躍を良く報告としてもらうか」等、部下のやる気が高まるようなマネジメント以外を行いません。

 

定例MTGでとことん定量的な部分を煮詰める

日常で定量の話をしなくなると、幹部だけで行う定量MTGが唯一の定量面の議題になります。日常的に話さない分トピックは沢山溜まっており、各責任者から沢山の意見が上がってくるようになります。

 

定例MTGは理想は1時間、ただ延長できる余力を作っておいた方が良いと私は思います。ただ数年間も延長し続ける必要ありません、逆効果です。最初はみんな言いたいこと、承認を取りたいことで会話のほとんどが埋まるようになっていますが、時間については毎回毎回伝え続け、徐々に時間内に終わるように改善していきます。2~3ヵ月続けていくと時間通りに終わるようになり、かつリーダークラスの目つきが変わってくるんです。

 

そうなった状態で行われる定例会はとても有意義で、必要上ればMTGより前に承認を取りに来ることが当たり前になります。そうなると会議も1時間で終わり、かつ翌週の行動変化量が早くなるという事で、理想的な幹部の形が出来てきます。

 

定例MTGも、最初と最後は訂正面で締める

いくら精神が強くて能力がある幹部であったとしても人間です。どこかで気持ちのブレは発生し、いずれ大きな亀裂となったときに既に遅いケースがあります。

 

なので幹部だけが集まる定例MTGにおいても、最初と最後は定性的な話を行った方がいいです。「我々はどんな組織にしたいのか」「何が一番部下のためになるのか」「1年後どんな姿になるために今日があるのか」等、幹部が熱量込めてそういった話をしている姿があったら、部下もモチベーションは高まりますよね!

 

ダブルバインドまとめ

真面目で結果主義な上司であるほど陥りやすいダブルバインド、人間的にひどい人と思われがちですが、最初からそんな事をしたい人などほんの一握りです。一生懸命している中でなってしまっている。ただ繰り返してはいけないこともまた事実。気付いて改善していくのが大切です。

 

役職を兼任している状態では、部下を鼓舞するリーダー役と、組織を管理する監視役の両方を行わなければならないので、「どうすればいいんだ」となりがち。そういう時は、私は上記に記載したメンバーによって発信内容を固定する方法が最も上手く行った例になります。ぜひ、ご参考に。

 

最後に

悪役にならず、常に部下から尊敬される上司になれたらどれだけ嬉しい事か、そんな方がいたらぜひ学ばせて頂きたいと願う日々ですが(笑)、一つ一つ改善していく事で自分のリーダー像が見えてくるとも思っています。

 

また私が数ヵ月前に読んだ本でマネジメントに置いて大切な事が書かれている書籍を紹介します。

 

元ディスニ―のCEOが書いたマネジメントの本。一社員からCEOに昇り詰めるまでに経験した出来事や、「こんなに優秀な社員に囲まれている」という本人の言葉からあるような環境でどんな振る舞いをしたのか、「自分だったらどうするだろう」と考えながら読むことで臨場感が味わえる書籍になっています。(ディズニーの現場で起こる些細な事件なども載っています。)

 

それでは、本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

Written by 佐々木太一

1.2021.09.02