佐々木ライフハック

~慶通生の備忘録を綴る~

「論語」振り返りvol.8 ー 日々の学びと復習に

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はじめに

第八回『「論語」振り返り』の記事です。皆さんは普段から、繰り返し読んでいる本はありますか?自分の好きな本をこうやって繰り返し読み込んでいく事はとても意味深く、かつ同テーマの別の本と比較すると更に新しい発見に出会えます。

ここで紹介する論語は間違いなくお勧めできる一冊(テーマとも言えますね)なので、まだ読んだことが無い方はご一読をお勧めします。

 

本記事の内容

『現代語訳 論語』と『論語コンプリート/野中根太郎/成文堂新光社』の2冊を読み比べつ形で進んでいきます。論語自体色々な翻訳本が出ているので、同じように書いてあるものから全く違う視点から書いてあるものまで、訳者の思いをくみ取りながら読み込むのはとても楽しいですよ!

 

「現代語訳 論語」からの引用

P124「先生は、政庁で下級の大夫と話されるときは和らいでおり、上級の大夫とはなされるときはきっちりとされていた。主君がお出ましになると、恭しくありながらも、ゆったりと自然な感じであられた。」

弟子が先生の姿を話したときの言葉。それぞれの得たい成果やあるべき姿を明確にして、それぞれの時間を効率的に過ごすという視点で自分は解釈しています。自らの行動に照らして考えた時、全ての時間でそうできているかを再度改めさせてくれる言葉です。 

 

P134「回は、私の思いもよらない質問や意見をして私を啓発する類の人間ではなかった。回は私の言葉をすべて黙って聞き、すばやく深く理解し、それを喜びとしていた。(それが回の他の者にはないすぐれたところだ。)」

先生が弟子の回について述べた言葉。賛否両論分かれる文章ですが、私は賛成派です。自分が師と決めた人の意見は飲み込み、それを実行するのが常。「ズレている」という事を感じたことが無いから言えるのか、それも受け入れて行っているかは自分でも意図的に考えて来なかった部分です。おそらく、そこに論点を持たないという選択自体がこの言葉の意味に付随すると感じるので、思考はそのままで継続して行こうと思います。

 

P140「人の道を建物にたとえて言えば、由はすでに堂の上にはあがっているのだ。まだ奥の部屋に入っていないというだけで、十分高い水準にある。(諸君が軽んじることがあってはいけないよ。)」

子路の琴の演奏が少々荒っぽい事に先生が苦言し、他の門人たちが子路を尊敬しなくなった際に、門人たちへ先生が発した言葉。自分がマネジメントをする時に、自分の部下に対して不足を感じてしまう事は多いものです。その際自分の発言や態度でその部下の部下から、本人がどのように思われるか、しっかり考えるきっかけになった言葉です。 

 

P142「言論がもっともだというだけで評価していたのでは、その人が本当に心と口が一致している君子なのか、口だけの人間なのかはわからない。」

先生の言葉。私の座右の銘に「言行一致」を置いた背景に当たる言葉です。マネジメントや人材教育の経験をしている人であれば共感できる部分。人を見る時は言論と、行動、結果それぞれ全て見ないと正しく判断できないというメッセージと解釈します。 

 

P143「子路が先生に、「人から善いことを聞いたならば、すぐにそれを行った方がいいでしょうか。」とおたずねすると、先生はこう言われた。「家には父や兄がおられるのだから、その意見を聞くべきだ。すぐに行うのはよくない。」

 

求が、同じ質問を先生にした。先生は、「善いことを聞いたら、すぐに行いなさい。」と言われた。

 

公西華がたずねた。「先生は二人の同じ質問に対して、異なる答えをおっしゃいました。私は迷ってしまいます。(恐れ入りますが、どのように考えられたのでしょうか。)」先生は言われた。「求は消極的だから、はげましたのだ。子路はとやかくやり過ぎるから、おさえるようにああ行ったのだ。」(先生のお言葉は表面上異なっても、過不足無い中庸への方向性としては一貫している。)」

 長くなりましたが、とても大切な言葉。自分の座右の銘に「中庸」を置いた直後に出会った言葉です。元々自分は他の古典を読んだときに出会いました。バランスよく、その人にあった教育をするという基本を的確に言語化しているこの言葉は、自分のマネジメントに一貫性を持たせる上でとても大切な存在になっています。

 

最後に

 論語は遥か昔に書かれた書籍であったとしても、今現代でも変わらず存在している原理原則がそのまま表れています。自分が古典を好む理由に直結しますが、やはり最近の書籍は論語などの古典を具体化して書かれているだけ。行きつく先は最終的に古典だと毎回感じされられます。今後も古典重読を通じて自分の新しい気付き、新しい発見の発信が出来れば幸いです。

本日も、最後までお読み頂き、ありがとうございました!