佐々木ライフハック ~犬のように生きる~

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【書評】不機嫌は罪である/齋藤孝 ー 分かっていても思わず思い当たる不機嫌の瞬間

 

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【書評】

基本情報

書籍紹介

 タイトル:不機嫌は罪である

 著者  :齋藤 孝

 出版  :角川新書

 

目次

 はじめに

 第1章 もはや不機嫌は許されない

 第2章 ネット社会がもたらした新しい不機嫌

 第3章 からだをひらけば不機嫌は解消する

 第4章 上機嫌を保つこころの習慣

 第5章 上機嫌な会話が人生を豊かにする

 おわりに

 

要約

人間関係を円滑にし、物事をスムーズに進めるための知恵である「礼」は、古来日本文化から重要とされており、人への思いが不足し自制することなく負の感情を出すことは恥ずべき行為とされてきた。それが現在世の中を見渡すと、職場、電車、レストラン、SNS等、いたるところで感情をあらわにする大人が散見される。その背景には「上機嫌=バカ」「不機嫌=知的」等といった誤った権威への認識がある。

瞬時に感情を伝えるための適切な手段としての「不機嫌」は必要とした上で、物事が解決しない「不必要な不機嫌」をどのように表現せず収めるかという点と、上機嫌が及ぼすプラスの影響が本書では紹介されている。

 

感想

本書を通して

冒頭、「理性と知性で感情をコントロール出来ない」→「礼を体現できない」→「不機嫌」と来たため、「不機嫌」の発生源や脳の仕組みなどの話かと思いましたがその後は目次の通り、具体例を交えながら不機嫌である事の不利益と上機嫌である事の利益を並べている内容でした。

私自身長いマネジメント経験から『上機嫌の有効性』を肌で理解しているため、内容は「その通り」と共感しながら読み進めることが出来ました。新たな発見は特になく、考えの復習と言語化が出来たイメージです。

おそらく本書は、現状「不機嫌になってしまっている」と自覚をしている管理職者が、なぜ自分は不機嫌で、どのように上機嫌へ修正すればよいのかを考えるという目的で読むのに適しているように感じます。また不機嫌の自覚症状がなくとも、部下のマネジメントに悩んでいたり、離職率が上がってしまうという管理職の方は書内のケースと照らし合わせるためにも一読の価値があるかと思います。

 

心に残った言葉

P33「いや、まあ、授業におけるプリントっていうのは、水泳の時間における水着だからね。水着無しで平気な人はもちろんいるんだけども、周りがいたたまれないからさ」

著者が授業にプリントを忘れた生徒にジョークで返す実例の一文。授業の主導権を握る教師がどのような振る舞いをするかで、忘れ物に関係がなかった生徒までもがそれの被害者になるのを防ぐことを説いている部分です。あくまでも一例ですが、これから入社してくる新入社員たちは、核家族で「叱られ慣れ」していないと考えると、こういうところまで気を使わないといけないというのが中々大変ですよね。ただそういう時代なので、適度に合わせながら教育して行きたいと思いました。

 

P79「SNSは難易度の高すぎる伝言ゲームだ」

こういわれると燃えて来ませんか(笑)ここでは『文脈の無い言葉の怖さ』を説いている中の文章です。特に芸能人の発言を部分的にくりぬいて報道する意図的な悪法は誰もが気付いていながらも是正されない部分。これは直る時代が来るのか、発信者が淘汰されるのを待つ方が利口なのか、私は発信者の意図を見極めたうえで情報を吸収する事を今後も心掛けていこうと思います。

また別の角度からこの分を見ると「文脈の大切さ」つまり「キャラづくりの重要性」が見えて来ますね。同じ「A」を主張しても、XさんとYさんでは全く移り方が変わるように、我々のようにSNSで発信する身として、どのようなキャラクターで(文脈で)メッセージを届けたいかを日々考え続ける必要がありそうです。

 

P117「自分の呼吸を意識しコントロールできる人は、相手の呼吸がわかり、間合いが取れる人です。」

このような捉え方をしたことが無かったので抜粋。本質的には「イライラしたとき」「緊張したとき」「人の話に飽きたとき」など感情的変化があった際に、自分の行動を意図的にコントロールできるかどうかを説いています。日常的に呼吸のコントロールを駆使する事で、感情の起伏を押さえ、会話中にも落ち着いて対応ができるというものです。

 

私の行動変化

・特に無し

 → 言語化できた点、期限によるプラスマイナスの事例を学べた点は大きいです。今まで自分のマネジメントの基盤も「自己肯定感の向上」、その背景には「心理的安全性の整備」、またその背景には「ミレニアム世代のマネジメント」を考えて運用しているので、そのまま今の取り組みは継続して行こうと思います!

 

最後に

齋藤孝さんの本は世の中に沢山出ていて、どれも文学知識や基礎教養がふんだんに詰められているいるため、誰にでもお勧めしやすい本が多いです。またもしこういった本を読む場合は、その中で紹介されている「論語」や「幸福論」と言った古典も一緒に読んでみる事をお勧めします。

自分も最初はビジネス書から入り、そこから古典へと移りました。そこで気付いたのは結局古典に書いてあることをベースに、具体例が並んでいる本がほとんどという点です。ただこれは言われるよりも自分で実感した方が更に腑に落ちると思います!参考に、今回書評させて頂いた書籍と、読んで損しない本一覧をまとめた記事がありますので、そちらのリンクも紹介して終わりにさせて頂ければと思います。最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

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 Written by 佐々木太一
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