【書評】大栗先生の超弦理論入門/大栗博司/講談社
第1章 なぜ「点」ではいけないのか
第2章 もはや問題の先送りはできない
第3章 「弦理論」から「超弦理論」へ
第4章 なぜ九次元なのか
第5章 力の統一原理
第6章 第一次超弦理論革命
第7章 トポロジカルな弦理論
第8章 第二次超弦理論革命
第9章 空間は幻想である
第10章 時間は幻想か
感想
普段こういった専門書は全く手に取りませんが、昔から名前だけは知っていた「超弦理論」の「入門書」という言葉が目に留まり書店にて購入。元々期待していたのは「九次元それぞれどんな具体的定義付けをされているのか」という点で、「超弦理論とは何か?」という問いに、簡単に回答が出来るだけの知識を得たいという目的がありました。
ただ本書を読んでいる間で見えてきたのは「九次元それぞれ、実は明確に定義付けされていないのではないか?」という疑念。本書が入門書であるからこそ書かれていない可能性もありますが、正直な感想としては「九次元全てを明確に定義付けすると必ずどこかで矛盾が生まれるため、あえて数式の根拠だけで九次元とした?」と感じました。
本書は有名数学者の出した公式に物理の方程式を当てはめ、理論上証明されることを次々に展開していく流れになっているので、私の場合はどうしても無理矢理詰め込んでいるように感じてしまって読み進めるのに苦労しました。(もっと柔軟な頭にならないといけない。)
その中でも面白かったのが「オイラーの公式」というもので、1+2+3・・・と正の整数を無限個足していくと、、、答えは『-1/12』になるという公式。私にはさっぱり意味が分かりません。証明式を見れば理解は出来ますが、凝り固まった頭ではどうしても理解できない。正の整数を足して、マイナスになる事があるのでしょうか。。。
このように色々な理論が展開されてそれぞれ証明されているため知識としての納得度は高いです。しかし、正解の無い世界に答えを見出しに行く工程や、誰かの作った公式をベースに物事を考えていく工程に自分の頭がまだ追いつかず、情熱的な興味には繋がりませんでした。もう少し時間を空けて再チャレンジすることで、本当の面白さに気付けるかも知れません。
最後に
少し微妙な感じになってしまいましたが、私よりもっと頭の良い方々、理解できる方々にはきっと面白い本なのでは無いかと勝手に想像しています。次は分かりやすく内容伝えられる本を選びますのでご期待下さい!
Written by 佐々木 太一
1.2022.05.01
2.2022.10.29