組織の目標達成を習慣化させるためのマネジメント ー 組織の基盤を作る3ステップをまとめてみた

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 こんにちは、佐々木太一です。

 

 「世の中の上司は皆、無能である」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?現在多くの組織運営の手法として活用されているピラミッド型組織に見られるデメリットについて述べた言葉です。大きな成果を残した人は昇格、並な成果を残した人は現状維持、残念な成果を残した人は降格と組織をクリーニングしていくと「並な成果を残して昇格も降格もしなかった人」で管理職が凝り固まる。という状態を表した言葉です。

 

 役職が上がったり、それこそ管理職になったばかりの時はやる気に満ち溢れて「絶対今までより大きく、楽しく、やりがいのある組織に変えるんだ!」と意気込んで奮闘すると思うのですが、数年後も同じ熱量でハツラツしている人って稀ですよね。

 

 世の中もっと魅力的で、大きな結果を出し続けている上司ばかりになったら、採用も教育も様々な課題が根本解決されるのでは無いかと期待しますがそれは夢の話。まずは現実的に、一人一人が目の前の課題をクリアする力を身に着けるためにこの記事を書いています。

 

 

本日のお題 マネジメントの基本 3ステップ

 今回お題として取り上げるマネジメント3ステップは「組織の構築」から「成果が出る」までの流れを体系的にまとめたものになります。営業組織、管理組織、コーポレート組織全てにおいて当てはまるフレームなので、現在組織マネジメントに課題がある状態であればお役に立てる内容です。

 

【ステップ1】 オンボーディング

オンボーディングとは

 ここで言うオンボーディングとは、新たに編成されたメンバーや新人さんなどに対して教育や支援を行い仕事が出来る準備を行うことを指しています。もう少し分かりやすくすると「組織に属する個人が、各々のMISSIONを達成できる状態にする」ことです。当たり前だと感じる方も多いと思いますが、実際これが出来れば組織のMISSIONはほとんどクリアしたと言えると思っています。

 

 というのも、このオンボーディングをもし完璧に実践できれば「強い個の集合体」をつくることが出来ます。業務中における運用の変更や、人材配置の変更、大きなレギュレーションの変更などがあった際も、各々が変化対応出来れば壁を乗り越えることができます。逆につまり誰か(個)が求めらている成果を果たせないときは、チーム全体でマイナスを挽回する必要が出てくるということです。「一人一人が成果を出せる状態」の場合、それぞれの運用に対する意見交換が活発に行われ前向きな配置変更なども行われます。このように「自主自立型の組織」をつくるためにもオンボーディングは必須条件になります。

 

オンボーディング作りこみポイント2つ

作りこみPoint① 「モチベーション管理の仕組み」

 人が成果を残せる精神状態を言語化すると、「迷いが無く、行動に集中できている状態」です。この「迷いが無く」という点が重要で、この迷いを無くすために「的確な目標設定」をしたり、「キャリアアッププランを構築」したり、「その人のやりたい事/得意な事を認識合わせ」したり、他には「ルールを設定」したり、「給与制度をガラス張り化」したり、様々な取り組みを各企業は行っています。このような取り組みは全て『従業員のモチベーションを管理する』と言う目的に集約することが出来ます。

 

作りこみPoint② 「成長環境」

 モチベーションが高い状態の人が活躍するために必要なことは、「努力=結果に繋がる仕組みをつくること」です。具体的には「毎日一定時間の研修を行う」や、「新しいマニュアルの整備」、最近流行りの「映像による教育コンテンツを作成する」など、やる気がある人が『正しい努力が出来る環境を提供する』ことがポイントになってきます。

 

ステップ1 まとめ

 ポイントを押さえて仕組みを作りこめば、8割の人はそのままレールに乗って成長が出来るようになり、残り2割の人が特別プログラムで修正をすることでほぼ全員がオンボーディングできる環境が作れます。ただどれだけ試行錯誤しても「完璧な仕組み」をつくる事は今まで出来ず毎回微調整を続けていますが、まずは自分で考えて作ってみること、そして日々改善を行うことが何より大切になってきます。

 

【ステップ2】 アライメント

アライメントとは

 ここでいうアライメントとは「該当するメンバーの意識を同じゴールに統一すること」です。「会議」や「MTG」「朝礼」など様々な場所や場面で「集合体」が発生し、その都度それぞれでアライメントが行われている事から「意識統一」が必要な箇所全てに当てはめる意味で「該当するメンバー」とさせて頂きました。

 

 ステップ1のオンボーディングが完了している組織では、既に「自主自立的に」メンバー間での情報交換が行われやすい環境になっています。また中には組織移動や配置変更などと言った、パフォーマンスを最大化できるフィールドに人材の異動が行われたりもします。ここでポイントになるのが「管理するべきアライメント」と「管理する必要が無いアライメント」を区別する事です。

 

 管理するべきアライメントとは「組織が目指すゴール地点の合意」です。ステップ1を完了させたマネージャーは「この組織はどこを目指しているのか」を常日頃発信し、常にメンバーをアライメントし続けることが必要になります。

 

アライメント構築における注意点3つ

注意ポイント① 「全ての会議やMTG見える化する」

 一人一人が成果を出せる状態になると仕事への意欲も高まり、自主的に会議やMTGを持ちかけるアクションが増えます。が、あくまでその方々は今まで管理職として活躍してきた人ばかりではなく、会議やMTGの有効的な運用方法を知りません。なので好き勝手に会議やMTGを行うと『行動変化が起きず、かつ結果完了が行われない文化』が構築されてしまいます。

 

 会議やMTGを行う目的は、現段階で発生している問題に対して解決の糸口(課題)を見つけ、解決するための行動と期日を約束する場所です。つまり会議やMTGで決めた事は「すぐに」「必ず」実行しなければなりません。当然ほとんどの管理者はこの基本を知っていますが、経験が浅いスタッフは知らないケースが多いので放置しておくと大変な事になります。

 

 それを防ぐために私の場合は「議事録の提出ルール」を設け、専用のチャットに会議やMTGを行った『日時・メンバー・場所・議題・課題・アクションプラン・期日』を簡単なテキストにして提出する形を取っており、それをそれぞれの責任者が確認する事で有効なアライメントが組まれているかを常に確認出来る状態をつくっています。

 

注意ポイント② 「アライメントの下準備を怠らない」

 続いてアライメントの下準備です。意識統一をしたい内容があれば、日頃からその話題を話しておきましょう。例えば、リーダーが突然「今日の目標達成したら、今日の夜達成会をしよう!」と言ったとすると、どこかで夜の予定を入れてしまっていたり、そもそも食事会に行きたいと思っていなかったり、様々な相違を生むことになります。これが1回2回であればまだしも、何回も行われると離職率が高い組織が出来るような印象がありますね。

 

 具体的な下準備としては、日常から「達成したらみんなで食事に行きたいと思ってるんだよね!」など話を振ってみて、そこで良い反応を示してくれる従業員が居れば「皆に声掛けしておいてよ!」などと軽く依頼をする。これを繰り返すだけです!いつ誘ってもイベントに参加してくれる人も、プライベートの予定が沢山詰まっている人も全員でアライメントを取りたい場合は事前の準備が重要になるという事ですね。

 

注意ポイント③ 「目指すゴールはあくまで100点ライン」

 アライメントで達成させるべきは組織の100点ラインです。この100点ラインと言うのは、予算達成率100%を指しています。というのも、アライメントをする前に「一人一人が成果を出せる状態」をつくる際、100点ラインと150点ラインは圧倒的に100点ラインを作る方が簡単です。会社の予算は基本成長曲線ギリギリな範囲で組まれているはずなので、当たり前の事を当たり前に出来る状態まで育てれば達成可能になります。(会社によって違うと思います。)

 

 ここで鍵となるのは、ステップ3に「エンゲージメント」がある点です。よくマネージャーの中に「全員が一枚岩にならないと次の課題はクリアできないんだ!」とアライメントを組む方が多くいらっしゃりましてそれも仰る通りなのですが、僕の考えでは基本的に一枚岩にならなくても(お互いが最低限の協力をしていれば)「個々の力が強ければ」大抵の課題はクリアできます。組織課題がクリアできないほとんどのケースは対象の個々が活躍出来ないケースで起こります。

 

ステップ2 まとめ

 マネジメントは①オンボーディングと②アライメントの繰り返しによって推進していくものと考えており、必要な量だけ①②を行えばほとんどのMISSIONは達成できるのではないでしょうか。つまり僕も含めて何が課題になるかというと、この①②を「継続して実行し続けることが出来ない、何かしらの障壁があること」が最大課題です。

 

【ステップ3】 エンゲージメント

エンゲージメントとは

 最後のステップです。ここで言うエンゲージメントとは「従業員が「会社を好き」になったり「思い入れ」が出来たり、従業員と会社の仲を深める」意味になります。以前ネット上で『会社は「共同組織」では無く「機能組織」であるべきだ』のような言葉を聞いたことがあり、まさにこの言葉が自分のステップ2までの考えと一致しているかと思います。組織としての機能はステップ2のアライメントで果たされ、求められている成果はクリア。そこから更に「我々はどうあるべきか」「これからどうしていきたいか」という110%、120%の領域に踏み出す時に、この「エンゲージメント」が必要になって来るステップへ進むと考えます。

 

 ではこのエンゲージメントですが、ここはアライメントに近い分野であり、注意点も変わりません。①は行っている前提で、②は同じように仕込み、③だけは100点では無く「皆で決めたゴール」になります。追記として「エンゲージメントを高める3つのポイント」をお伝えします。

 

エンゲージメントを高めるポイント3つ

Point① 共有時間を増やす

 「単純接触効果」という言葉をどこかで聞いたことがあるかと思うのですが、これは人間の習性について研究した結果の一つです。ⅰ人間は接触の回数が増える事で好意を抱きやすくなる傾向がある。ⅱ人間は相手の人間的側面を知ったとき、好意を抱きやすくなる。などと言ったものです。エンゲージメントを高める上では業務時間外での接触回数を増やしたり時間を伸ばしたりする事で生物学的アプローチでエンゲージメントを高める事が出来ます。

 

Point② ビジョンの共感性を高める

 以前紹介させて頂いた『THE VISION/江上隆夫』の帯には『「カネで買えないものがいちばんカネになる。それがビジョンだ。」楠木建』と記載があります。昔と比べてこの「VISION」という言葉も社会人にすっかり浸透し、各企業様々な形でVISIONを打ち出すようになりましたね。ピラミッド型で終身雇用、そのような働き方に違和感を感じる若い方が最近増えて来ているのは間違いなく、「大きな会社に入って将来安泰」と考えている人が減ってきている印象です。そんな時代の中、入社や転職を決めるカギの一つが「VISION」であり、それが人を惹きつけます。VISIONの作成方法は今回のトピックでは無いので、別の形で生地に出来ればと思います。

 

Point③ 「賞賛」の文化を構築する

 人間には「認知」「関心」「肯定」「賞賛」をされたいという欲求があり、それが満たされることで幸せを感じると言われています。(バケツ理論)これがいっぱいまで満たされたときに、人は「頑張ろう」と思うみたいなんですね。なので全てが自然なコミュニケーションの中で行われるのが理想で、その中でも「賞賛」は文化として構築しないと規模が小さかったり継続しない傾向がある部分なので、ポイントとして上げています。僕の場合は四半期に一度06月09月12月03月にそれぞれ3ヵ月間の成績振り返りと優秀者には経費を使ってプレゼントなどでお祝い、かつ頑張ってくれた皆がお互いに賞賛し合う場所と言うのを意図的に作るようにしておりまして、今まで継続してきて意味があるものだと実感しております。 

 

ステップ3 まとめ

 エンゲージメントの向上に手を付けられている組織は、ⅰ大半の人材がフェーズ2の段階に位置し、それぞれの課題をそれぞれが解決できる能力を持っているか、もしくはⅱ外部環境の影響で結果が出ているのどちらかのケースが多いと感じます。「従業員が一致団結する事で会社の危機を救った」という話も散見されると思うのですが、こういった奇跡には必ず見えないところでの努力が隠れているはずです。会社の危機が訪れなかった数十年間に、汗水たらして努力して力を付けていたからこそ、いざという時にそれぞれの持ち場を守る事が出来ると思うんです。

 

さいごに

 マネジメントの基本ステップとして、①オンボーディング、②アライメント、③エンゲージメントを上げさせて頂きました。あくまでも私がマネジメントをする時に考えている幹となる考え方で、ここに時流やメンバーによって沢山の肉付けを行っていくイメージです。

 

 この記事を読んだ皆様に対して、1ヵ所でもご自身のマネジメントを改善するきっかけになったり、悩んでいたことの糸口になったり、何か貢献できればそれ以上の事はありません。お互い粉骨砕身、今できることは自分の持ち場を守る事。一緒に経済回していきましょう。それでは、最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 Written by 佐々木 太一

1.2020/11/04

2.2021/05/05